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自分好みのオリジナルバイクを作る Part 2

#2 フレームの下処理編

フレーム選定が済んだら、早速、HP(ヘッドパーツ)、BB(ボトムブラケット)などなど、外せるものはすべて外します。

塗装だけならばHPやBBを外さなくとも可能ですが、クラック(ひび割れ)が発生していたり、進行中のサビがある場合があります。それらのチェックも必要です。

この年式となると、すんなり全て外れることはまずありません。固着しているパーツは、CRC(クレ556)などをたっぷりつけて一晩放置します。大きい(長い)取り外し工具を使うといった工夫が必要です。

完全に固着したステムやシートポストは、内部から切断しましょう。

スモールパーツを取り外す際、注意が必要です。

元の状態をしっかり記録する(写真またはメモをとる)こと。

外したパーツは〝絶対〟に捨てないこと。少なくともレストアが完了し、試乗するまで。

外見からは同じに見えても、外してみると規格、長さ、直径が異なるネジやワッシャー、樹脂パーツは意外に多いものです。レストア後、取り付ける際に「どっちがどっち?」とならないようしっかりメモに残しましょう。サイズが微妙に合っておらず、乗るとギシギシ、キュウキュウ音がする、なんてこともあり得ます。

ネジのJISとISOの規格の違いは絶対に目視ではわかりません。

あまりにサビがひどくて再利用できない場合でも、とりあえず捨てずに残しましょう。代用品を購入する際の手がかりになります。

留意して欲しいのが『ステンレス素材』。ネジを交換する際、「せっかくだからステンレス製を……」と考える方が大半でしょう。ホームセンターでも一本あたり数十円~数百円程度しか違いません。

しかし、クロモリフレームに鉄(+メッキ)パーツが多様されることが多い理由は、製造コストを抑えるため、ではありません。

実は、サビなんです。

ステンレスはとてもサビにくい金属です。しかし別の特性があります。周囲の金属をサビさせるのです。

簡潔に説明すると、異なる種類金属を接触させることによりイオン化(腐食)が促進されるのです。

小学校の理科の実験で経験がある方もいらっしゃるかと思います。一円玉と十円玉を重ねて置き、食塩水で濡らすと豆電球が点灯します。現在ではお金を粗末に扱うという理由から(違法行為?)この手の実験は行っていないようですが……。

イオン化傾向の大きい一円玉は酸化されます。つまりサビるのです。

ステンレス製の板の上に新品の鉄くぎを置き、水で濡らして放置してください。きっと翌日にはサビが浮かび上がっていることでしょう。コレもイオン化傾向の大きい鉄くぎの酸化が、ステンレスの作用により通常よりも早く進行している証拠です。

この現象は、ステムなどのアルミ素材にも同じことが言えます。

自転車に限った話ではありません。

「高級車(オートバイも含む)のエンジンなのに、なぜ鉄製ボルトナットを使うの?」「こんなところでコストカット?」と、思ったことはありませんか?

ステンレス合金、アルミ合金にも色々と種類がありますので一概には言えませんが、その理由も、ステンレスより鉄(+メッキ)の方がサビにくいから、というエンジニアの配慮からかもしれません。

ボトルゲージのビス穴の周囲だけがサビの進行が早い。すぐに固着する。経年劣化だけが原因ではないのかもしれません。

かきくRE自転車工房では、ネジ穴が舐めてなければ、防錆塗装とウレタンコーティングで古いネジやワッシャーを再利用します。

ついでにタンゲの古いステッカー。ドライヤーで温めると、きれいに剥がれてくれました。

これなら再利用可能です。

ビンテージ品をことさら表に出す必要はありませんが、こういったステッカー類も二度と手に入らない希少パーツの一つに違いありません。気分の問題、もしくは自己満足ですかね?

パーツ類が外れれば、早速、古い塗装除去を始めましょう。自動車塗装などは、古い塗装の上に重ね塗りする場合があるようですが、仕上がりの質が格段に異なります。可能な限り除去することをお勧めします。クロモリフレームはカーボンやアルミと比較してかなりラクな方です。

金属が硬い(密度があるため)ので、電動サンダーやグラインダーが使用可能です。

電動工具をお持ちでない場合は、#60~180くらいの紙やすりでゴシゴシこすります。

電気工具が入りづらいラグ組部分やBBの隙間は、ホームセンターや100円ショップで購入できる人工ダイヤモンド棒やすりを使うとよいでしょう。

それでも塗装除去はかなり過酷な作業です。5~10時間、防塵メガネと防塵マスクを着けて黙々と当たらねばなりません。

精神的に持たない場合は、途中でパーツのレストアを挟むのも良いかもしれません。

このフレームはトップチューブに最もサビが出ていました。汗でしょうか?

塗装除去が終わると、脱脂も兼ねて洗浄します。

『シリコンオフ』といった特殊洗浄剤もありますが、台所用中性洗剤、シンナー、ディグリーザーでも構いません。とにかく油汚れをしっかり落とすことが重要。

ただし、作業工程に注意。脱脂後のクロモリは簡単にサビます。一晩放置すると、うっすらとサビが浮かび上がってきます。

そのため、脱脂後はすぐに(防錆)塗装に入らねばなりません。時間的に不都合がある場合は、脱脂は別の日に。天気や湿度にも注意してください。

今更発表するのもなんですが、工房主の『MY STYLE』とは、ロングライド。これまで一日(24時間)500kmが最長距離なのですが、それを上回ることが可能な速くてコンフォートなロードバイクを作ること。

もちろん、『かきくRE自転車工房』の代表作となるような格好良いデザインであることが大前提です。

ラグ組部分の段差を樹脂で埋め、シートポストの口も流線形に整えます。右の写真は塗装後。

エアロ形状にするというデザイン上の理由もありますが、樹脂は防サビの観点もあります。さらに塗装後は、ウレタンで完全にコーティングするため、耐久性もバッチリです。

防錆塗装+サーフェサー塗装後は、一晩以上自然乾燥させます。

『#2 フレームの下処理編』終わり。

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