色の種類

かきくRE自転車工房で使用されている色の種類はあまり多くありません。

パステル系みず色、メタリック系ブルーなどの青系色がメインとなっております。

下記のサムネイルは現在利用可能なカラーサンプル

青系色は飽きがこず、白系、シルバー系にはない〝鮮やかさ〟があります。近年は自動車や建築物の分野でも青系色は多くなってきました。コンパクト自動車の分野では、一昔前は主流だった白、黒、シルバーよりも人気があるのではないでしょうか?

つまり自転車を彩るにも、〝最適なカラー〟と考えております。

きっと幅広いお客様のニーズに応えることができるでしょう。

弱点もあります。

青系色は白系色、黒系色、赤系色に比べて色の隠ぺい力が弱いのです。中でもメタリックブルーは塗膜そのものもが弱く、簡単にひび割れが発生してしまいます。塗膜を強めようと厚塗りすると、色調が大きく変化してしまうという厄介な特徴もあります。

それら弱点があるが故に、一昔前まではパステル系みず色やメタリックブルーを自動車やオートバイ等に使用されることはあまりありませんでした。

近年のウレタン塗料の品質向上に伴い、自動車分野では多くの青系色が見られるようになりました。

しかし、自転車の分野ではまだまだ塗装が難しく、希少カラーである事実には違いありません。

なぜ自転車は青系色の塗装が困難なのか

理由は自転車フレームの形状にあります。

隠ぺい力の弱い色を美しく塗るには、塗料を均一に塗る必要があります。塗料の厚さが変わると、色調まで変わってしまうからです。

特に、メタリック系カラーでは、スプレーを塗面と垂直にして薄く塗ることが推奨されています。メタリック系カラーに含まれる金属の顔料は比重が重いため、垂直でなければ顔料の偏りが生じて〝色むら〟を発生させるのです。ひどい場合は、金属の顔料だけ下へと垂れ下がり、金属の塊を作ってしまいます。

塗る面積は少ないのにデザインは豊富ではなく塗装料金が高い理由も同じです。機械塗装であっても困難な形状をしているため、職人が一つ一つ目視して塗装を行わなければならないのです。

簡単に見えるツートンカラーのデザインであっても、マスキング処理し、一か所一か所丁寧に塗っていく必要があります。

まだまだ未熟ではありますが、かきくRE自転車工房で使用されている色に青系色が多い理由は、技術アピールの一つでもあるのです。

ご希望のカラーがある場合

「赤系色が好き」「黄色はダメなの?」

そんなご希望があれば、もちろん受け付けます。

しかし、塗装の前に色には多くの〝種類〟がある事を知っていただく必要があります。

塗料の製造会社が異なれば、同じ赤色であっても色調は全く異なります。油性塗料、水性塗料、シリコン塗装、ウレタン塗料といった塗料の種類でも色調は大きく変化します。

同じ赤色でも、トマトの赤とリンゴの赤は異なるようなものだとお考え下さい。

上記の写真は、同じ塗料会社の色の違いです。

表記は同じ〝みず色〟です。ぜんぜん違いますね……。

町中を行きかう自動車も同じ赤色であっても大きく色調が異なります。隠ぺい力の強い赤系色でも、重ね塗りの回数で色調は若干変化します。

隠ぺい力の極めて弱い黄色は、素材の種類(アルミ、カーボン)などでも色調が変化します。

たとえソリッドカラー(単一色)の黒色のように見えても、イタリアの某高級スポーツカーブランドの製品は黒に若干の赤が混ざっていたりします。

写真で見るのと実物を見るのでは、大きく印象が異なる場合があります。

つまり、非常に複雑なのです。

その複雑さゆえに、ご希望を100%満たすことは困難です。

「思っていたのと違う!」という結果にならないためにも、ご要望を明確に表現していただく必要があります。

まずはステムキャップなどの簡易塗装、サンプル塗装を依頼することを強くお勧めします。